text:kara:m_kara019
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text:kara:m_kara019 [2014/11/30 14:30] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:kara:m_kara019 [2014/12/03 15:25] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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なほ、「僻目(ひがめ)にや」と目をとめて見けるに、いかにも違ふ所なかりければ、人知れず悲しく思えて、暮るるや遅きと呼び取りてけり。女、「我過つこともなきに、いかなることに当りなんずるにか」と、恐れ惑ひけれど、ありし昔のことなどを細やかに語らひければ、女、あさましく思えて、この夫をうち見るより、いかが思ひけん、いたく悩み煩ひて、暁方に絶え入りにけり。 | なほ、「僻目(ひがめ)にや」と目をとめて見けるに、いかにも違ふ所なかりければ、人知れず悲しく思えて、暮るるや遅きと呼び取りてけり。女、「我過つこともなきに、いかなることに当りなんずるにか」と、恐れ惑ひけれど、ありし昔のことなどを細やかに語らひければ、女、あさましく思えて、この夫をうち見るより、いかが思ひけん、いたく悩み煩ひて、暁方に絶え入りにけり。 | ||
- | もろともに錦を着てや帰らまし憂きに堪えたる心なりせば | + | もろともに錦を着てや帰らまし憂きに堪へたる心なりせば |
心短かきは、何事につけても恨みを残さず((底本「のみさす」で「み」に「こ歟」と傍書。尊経閣文庫本「のこさす」。傍書及び尊経閣文庫本に従う。))といふことなし。錦を着て故郷((底本「古郷」))に帰るといふ。この人のことなり。 | 心短かきは、何事につけても恨みを残さず((底本「のみさす」で「み」に「こ歟」と傍書。尊経閣文庫本「のこさす」。傍書及び尊経閣文庫本に従う。))といふことなし。錦を着て故郷((底本「古郷」))に帰るといふ。この人のことなり。 |
text/kara/m_kara019.txt · 最終更新: 2014/12/31 21:35 by Satoshi Nakagawa