text:kankyo:s_kankyo019
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| 昔、比叡の山に、何某(なにがし)とかやいひける人のもとに、使はれける中間(ちうげん)僧ありけり。主(しう)のために一事(ひとこと)も違ふ振舞なし。いみしく真心にて、いとほしき者にぞ思はれたりける。 | 昔、比叡の山に、何某(なにがし)とかやいひける人のもとに、使はれける中間(ちうげん)僧ありけり。主(しう)のために一事(ひとこと)も違ふ振舞なし。いみしく真心にて、いとほしき者にぞ思はれたりける。 | ||
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| 善し悪しは代れども、輪廻(りんゑ)の種となることは、これ同じかるべし。必ず善し悪しにつけて、慈悲心を先として、「あはれ、いかなるものの営み、たしなみて、『わびし』と思ひつらん」と、あはれをかくべし。うき世にあり経て、人に交らひけるならひの口惜しさは、さしあたりて、人の目立たしく思ひたるときには、さは思へども、忍びがかたきことも侍るべきにや。それにつけても、「あはれ、無益(むやく)に侍るべきことかな。夢の中(うち)のかりそめごとゆゑに、長き夜に眠(ねぶ)らんこと、からくぞ侍るべき」など、思ふべきにや。かやうにだに思ひて、少し悲しむ心も侍れかし。 | 善し悪しは代れども、輪廻(りんゑ)の種となることは、これ同じかるべし。必ず善し悪しにつけて、慈悲心を先として、「あはれ、いかなるものの営み、たしなみて、『わびし』と思ひつらん」と、あはれをかくべし。うき世にあり経て、人に交らひけるならひの口惜しさは、さしあたりて、人の目立たしく思ひたるときには、さは思へども、忍びがかたきことも侍るべきにや。それにつけても、「あはれ、無益(むやく)に侍るべきことかな。夢の中(うち)のかりそめごとゆゑに、長き夜に眠(ねぶ)らんこと、からくぞ侍るべき」など、思ふべきにや。かやうにだに思ひて、少し悲しむ心も侍れかし。 | ||
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text/kankyo/s_kankyo019.txt · 最終更新: by Satoshi Nakagawa
