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text:kankyo:s_kankyo012 [2015/06/13 20:14] – 作成 Satoshi Nakagawatext:kankyo:s_kankyo012 [2015/06/13 20:15] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 さて、七月七日、草のとざし静かにして、ひそかに息絶えにけり。その時、あやしき雲、空に見えければ、人々驚きて尋ぬるに、この人の隠れぬることを知りぬ。さて、七日が間、あまねく人に縁をなん結ばせける。いみじくありがたく侍りける心の内なるべし。 さて、七月七日、草のとざし静かにして、ひそかに息絶えにけり。その時、あやしき雲、空に見えければ、人々驚きて尋ぬるに、この人の隠れぬることを知りぬ。さて、七日が間、あまねく人に縁をなん結ばせける。いみじくありがたく侍りける心の内なるべし。
  
-人のならひには、いかになり果つるまでも、ほどにふれつつ、「骨をば埋(うづ)むとも名をば埋まじ」と思ひためるに、今、この人の様(さま)、いかでか仏も御覧じとがめす侍るべき。かやうにふつに身を捨て侍る人には、終りの時、必ず目立たしきほどの瑞相((底本「瑞」に「スイ」と傍書。)の侍るなめり。なほなほあはれに侍り。+人のならひには、いかになり果つるまでも、ほどにふれつつ、「骨をば埋(うづ)むとも名をば埋まじ」と思ひためるに、今、この人の様(さま)、いかでか仏も御覧じとがめす侍るべき。かやうにふつに身を捨て侍る人には、終りの時、必ず目立たしきほどの瑞相((底本「瑞」に「スイ」と傍書。))の侍るなめり。なほなほあはれに侍り。
      
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text/kankyo/s_kankyo012.1434194096.txt.gz · 最終更新: 2015/06/13 20:14 by Satoshi Nakagawa