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text:k_konjaku:k_konjaku20-18

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text:k_konjaku:k_konjaku20-18 [2016/03/11 22:24] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku20-18 [2021/05/09 00:03] (現在) Satoshi Nakagawa
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 今昔、讃岐の国山田の郡に一人の女有けり。姓は布敷の氏。此の女、忽に身に重き病を受たり。然ば、直しく□味((底本頭注「味ノ上一本百字アリ」))を備て、門の左右に祭て、疫神を賂(まかなひ)て、此れを饗す。 今昔、讃岐の国山田の郡に一人の女有けり。姓は布敷の氏。此の女、忽に身に重き病を受たり。然ば、直しく□味((底本頭注「味ノ上一本百字アリ」))を備て、門の左右に祭て、疫神を賂(まかなひ)て、此れを饗す。
  
-而る間、閻魔王の使の鬼、其の家に来て、此の病(や)ぶ女を召す。其の鬼、走り疲れて、此の祭の膳を見るに、此れに靦((底本、見+面))(おもねり)て、此の膳を食つ。鬼、既に女を捕て将行く間、鬼、女に語て云く、「我れ、汝が膳を受つ。此のを報ぜむと思ふ。若し、同名同姓なる人有や」と。女、答て云く、「同じ国の鵜足の郡に、同名同姓の女有り」と。+而る間、閻魔王の使の鬼、其の家に来て、此の病(や)ぶ女を召す。其の鬼、走り疲れて、此の祭の膳を見るに、此れに靦((底本、見+面))(おもねり)て、此の膳を食つ。鬼、既に女を捕て将行く間、鬼、女に語て云く、「我れ、汝が膳を受つ。此のを報ぜむと思ふ。若し、同名同姓なる人有や」と。女、答て云く、「同じ国の鵜足の郡に、同名同姓の女有り」と。
  
 鬼、此れを聞て、此の女を引て、彼の鵜足の郡の女の家に行て、親(まのあた)り、其の女に向て、緋(あけ)の嚢より、一尺許の鑿を取出して、此の家の女の額に打立て、召て将去ぬ。彼の山田の郡の女をば免しつれば、恐々づ家に返ると思ふ程に、活(いきかへり)ぬ。 鬼、此れを聞て、此の女を引て、彼の鵜足の郡の女の家に行て、親(まのあた)り、其の女に向て、緋(あけ)の嚢より、一尺許の鑿を取出して、此の家の女の額に打立て、召て将去ぬ。彼の山田の郡の女をば免しつれば、恐々づ家に返ると思ふ程に、活(いきかへり)ぬ。
text/k_konjaku/k_konjaku20-18.txt · 最終更新: 2021/05/09 00:03 by Satoshi Nakagawa