text:jikkinsho:s_jikkinsho04-17
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text:jikkinsho:s_jikkinsho04-17 [2020/03/12 12:48] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | text:jikkinsho:s_jikkinsho04-17 [2020/03/12 12:51] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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大納言((藤原公任))、うち聞て、思ひもあへず、「春は三十日やはある」と言はれたりけるを聞きて、長能、披講をも聞き果てず出でにけり。 | 大納言((藤原公任))、うち聞て、思ひもあへず、「春は三十日やはある」と言はれたりけるを聞きて、長能、披講をも聞き果てず出でにけり。 | ||
- | さて、またの年、病をして、「限りなり」と聞きて、人を遣はしたれば、「悦(よろこ)びて承はり候ひぬ。この病、去年三月尽の日、『春は三十日やはある』と仰られ候ひしに、『心憂きことかな』と承はりしが、病となりて、その後、もの食はれ侍らざりしより、かくなりて侍るなり」と申して、さてその日失せにけり。大納言、ことのほかに歎かれける。 | + | さて、またの年、病をして、「限りなり」と聞きて人を遣はしたれば、悦(よろこ)びて、「承はり候ひぬ。この病、去年三月尽の日、『春は三十日やはある』と仰られ候ひしに、『心憂きことかな』と承はりしが、病となりて、その後、もの食はれ侍らざりしより、かくなりて侍るなり」と申して、さてその日失せにけり。大納言、ことのほかに歎かれける。 |
これは、「かくほどあるべし」とは思ひ給はざりけれども、さばかり思はむ□□□□ある身にて((「さばかり」以下、流布本「さばかり思はむとも知らず」))、何となく、口疾く難ぜられたりける。いと不便なりしか。 | これは、「かくほどあるべし」とは思ひ給はざりけれども、さばかり思はむ□□□□ある身にて((「さばかり」以下、流布本「さばかり思はむとも知らず」))、何となく、口疾く難ぜられたりける。いと不便なりしか。 |
text/jikkinsho/s_jikkinsho04-17.txt · 最終更新: 2020/03/12 12:51 by Satoshi Nakagawa