text:chomonju:s_chomonju387
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text:chomonju:s_chomonju387 [2020/05/15 21:23] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju387 [2020/05/15 21:24] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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- | 弘高((巨勢広高。弘高・広貴・広孝とも書く。底本は「広高」に「弘歟」と傍書。あとの本文中に「弘高」とあるので傍書に従う))、地獄変の屏風を書きけるに、楼の上より桙(ほこ)((「桙」は底本「杵」。諸本により訂正。))をさし下ろして、人を刺したる鬼を描きたりけるが、ことに魂入りて見えけるを、みづから言ひけるは、「おそらくは、わが運命尽きぬ」と。果していくほどなくて失せにけり。六条宮(具平)((村上天皇皇子具平親王))、御堂((藤原道長))に申し給ひけるは、「布障子の役などには、今は弘高をば召さるべからず。軽々なるべきことなり」。弘高、聞きて自愛しけり。 | + | 弘高((巨勢広高。弘高・広貴・広孝とも書く。底本は「広高」に「弘歟」と傍書。あとの本文中に「弘高」とあるので傍書に従い、「弘高」に統一する。))、地獄変の屏風を書きけるに、楼の上より桙(ほこ)((「桙」は底本「杵」。諸本により訂正。))をさし下ろして、人を刺したる鬼を描きたりけるが、ことに魂入りて見えけるを、みづから言ひけるは、「おそらくは、わが運命尽きぬ」と。果していくほどなくて失せにけり。六条宮(具平)((村上天皇皇子具平親王))、御堂((藤原道長))に申し給ひけるは、「布障子の役などには、今は弘高をば召さるべからず。軽々なるべきことなり」。弘高、聞きて自愛しけり。 |
この弘高は、金岡((巨勢金岡))が曾孫、公茂((巨勢公茂))が孫、深江((巨勢深江))が子なり。公忠((巨勢公忠))(公茂兄)よりさきは、描きたる絵、生たる物のごとし。公茂以下(いげ)、今の体にはなりたるとなん。 | この弘高は、金岡((巨勢金岡))が曾孫、公茂((巨勢公茂))が孫、深江((巨勢深江))が子なり。公忠((巨勢公忠))(公茂兄)よりさきは、描きたる絵、生たる物のごとし。公茂以下(いげ)、今の体にはなりたるとなん。 |
text/chomonju/s_chomonju387.1589545407.txt.gz · 最終更新: 2020/05/15 21:23 by Satoshi Nakagawa