text:chomonju:s_chomonju382
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text:chomonju:s_chomonju382 [2020/05/11 23:23] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju382 [2020/05/11 23:26] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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- | 鳥羽院((鳥羽天皇))の御代、相撲の節の後、帥中納言長実卿((藤原長実))のもとへ、小熊権守伊遠((豊原伊遠))と聞こゆる相撲、息男伊成((豊原伊成))を具して参りたり。 | + | 鳥羽院((鳥羽天皇))の御代、相撲の節の後、帥中納言長実卿((藤原長実))のもとへ、小熊権守伊遠と聞こゆる相撲、息男伊成を具して参りたり。 |
さるべき方へ召し入れて、酒など勧めらるるに((「に」は底本「にに」。諸本により訂正。))、弘光といふ相撲また来けり。同じく召し加へて、盃酌たびたびに及ぶ間、弘光、酒狂の言葉を出だすあまりに、亭主の卿に向ひて申す。「近代の相撲は、勢(せい)など大きになりぬれば、左右なく最手(ほて)((「最手」は底本「なて」。諸本により訂正。))をも賜はり、その脇にもまかり立つめり。昔は雌雄を決して、芸能あらはるるにつきて、昇進をもつかうまつりしかば、傍輩(はうばい)口をふさぎ、世の人これを許しき。近代はいさみなき世にも侍るかな」と申す。 | さるべき方へ召し入れて、酒など勧めらるるに((「に」は底本「にに」。諸本により訂正。))、弘光といふ相撲また来けり。同じく召し加へて、盃酌たびたびに及ぶ間、弘光、酒狂の言葉を出だすあまりに、亭主の卿に向ひて申す。「近代の相撲は、勢(せい)など大きになりぬれば、左右なく最手(ほて)((「最手」は底本「なて」。諸本により訂正。))をも賜はり、その脇にもまかり立つめり。昔は雌雄を決して、芸能あらはるるにつきて、昇進をもつかうまつりしかば、傍輩(はうばい)口をふさぎ、世の人これを許しき。近代はいさみなき世にも侍るかな」と申す。 |
text/chomonju/s_chomonju382.1589207029.txt.gz · 最終更新: 2020/05/11 23:23 by Satoshi Nakagawa