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text:chomonju:s_chomonju051 [2020/01/18 02:40] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju051 [2020/01/18 22:41] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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永観律師は病者にて侍りけるが、常のことぐさに、「病は是善知識なり。われ苦痛に依りて、菩提を探く求む」とぞのたまひける。 | 永観律師は病者にて侍りけるが、常のことぐさに、「病は是善知識なり。われ苦痛に依りて、菩提を探く求む」とぞのたまひける。 | ||
- | 七宝塔を造りて、仏舎利二粒を安置して、「われ、順次((「順次」は底本「須次」。諸本により訂正))に往生を遂ぐべくは((「は」は底本「候」。諸本により訂正。))、この舎利数を増し給ふべし」と誓ひて、後年に開きて見奉るに、四粒になり給ひにけり。随喜渇仰(ずいきかつがう)して、泣く泣く((「泣く泣く」は底本「位々」。諸本により訂正。))二粒を取り、本尊の阿弥陀仏の眉間にこめ奉りて、昼夜の瞻仰(せんがう)し奉られけり。また、みづから阿弥陀講式を作りて、十斎日ごとに修して、薫修(くんじゆ)久しくなりにけり。 | + | 七宝塔を造りて、仏舎利二粒を安置して、「われ、順次に往生を遂ぐべくは((「は」は底本「候」。諸本により訂正。))、この舎利数を増し給ふべし」と誓ひて、後年に開きて見奉るに、四粒になり給ひにけり。随喜渇仰(ずいきかつがう)して、泣く泣く((「泣く泣く」は底本「位々」。諸本により訂正。))二粒を取り、本尊の阿弥陀仏の眉間にこめ奉りて、昼夜の瞻仰(せんがう)し奉られけり。また、みづから阿弥陀講式を作りて、十斎日ごとに修して、薫修(くんじゆ)久しくなりにけり。 |
最後の時、例の講を修しける間に、律師((「律師」は底本「師」なし。諸本により補う。))異香をかがれけり。他人はこれをかがず。瞑目の夜(よ)、頭北面西(ずほくめんさい)にて正念(しやうねん)に住して、念仏たゆむことなくて終りにけり。年は七十なり。 | 最後の時、例の講を修しける間に、律師((「律師」は底本「師」なし。諸本により補う。))異香をかがれけり。他人はこれをかがず。瞑目の夜(よ)、頭北面西(ずほくめんさい)にて正念(しやうねん)に住して、念仏たゆむことなくて終りにけり。年は七十なり。 | ||
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永観律師は病者にて侍けるか常のことくさに病は是 | 永観律師は病者にて侍けるか常のことくさに病は是 | ||
善知識也我依苦痛深求菩提とその給ける七宝 | 善知識也我依苦痛深求菩提とその給ける七宝 | ||
- | 塔を造て仏舎利二粒を安置して我須次に往生を | + | 塔を造て仏舎利二粒を安置して我順次に往生を |
遂へく候此舎利かすをまし給ふへしと誓て後年に開 | 遂へく候此舎利かすをまし給ふへしと誓て後年に開 | ||
てみたてまつるに四粒に成給にけり随喜渇仰して | てみたてまつるに四粒に成給にけり随喜渇仰して | ||
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阿闍梨覚叡か夢に一精舎に衆僧ならひ座したるに | 阿闍梨覚叡か夢に一精舎に衆僧ならひ座したるに | ||
覚叡も其列にて仏像を瞻仰するによくみれは此仏 | 覚叡も其列にて仏像を瞻仰するによくみれは此仏 | ||
- | 先師の律師なり一句授て云従我聞法往生極楽云々/47r | + | 先師の律師なり一句授て云従我聞法往生極楽云々/s47r |
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text/chomonju/s_chomonju051.txt · 最終更新: 2020/01/18 22:41 by Satoshi Nakagawa