text:chomonju:s_chomonju016
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text:chomonju:s_chomonju016 [2015/02/21 21:19] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju016 [2015/02/24 18:47] – Satoshi Nakagawa | ||
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坂戸の左衛門大夫源康季は、年ごろ賀茂につかうまつりけり((底本「つかそまつりけり」))。ある夜、御戸開(みとびらき)に参りけるほどに、鴨川の水出でて、通りがたかりければ、岸の上に思ひやり奉りて居たり。 | 坂戸の左衛門大夫源康季は、年ごろ賀茂につかうまつりけり((底本「つかそまつりけり」))。ある夜、御戸開(みとびらき)に参りけるほどに、鴨川の水出でて、通りがたかりければ、岸の上に思ひやり奉りて居たり。 | ||
- | かかるほどに、御戸開参らせんとするに、いかにも開かれさせ給はざりければ、社司とも詮尽きて眠り居たりける程に、ある((底本「式」))社司の夢に、康季が参るを待たせ給ひて、開かぬよしを見てけり。 | + | かかるほどに、御戸開参らせんとするに、いかにも開かれさせ給はざりければ、社司とも詮尽きて眠り居たりける程に、ある社司の夢に、康季が参るを待たせ給ひて、開かぬよしを見てけり。 |
これによりて、氏人どもを迎へに遣はしたりければ、岸の上に惘然として居たりけるを、すくふがごとくにして、具して参りにけり。その後ぞ、御戸は開かれにける。 | これによりて、氏人どもを迎へに遣はしたりければ、岸の上に惘然として居たりけるを、すくふがごとくにして、具して参りにけり。その後ぞ、御戸は開かれにける。 | ||
行 19: | 行 19: | ||
かかるほとに御戸ひらきまいらせんとするにいかにも開かれ | かかるほとに御戸ひらきまいらせんとするにいかにも開かれ | ||
させ給はさりけれは社司ともせんつきて眠ゐたりける | させ給はさりけれは社司ともせんつきて眠ゐたりける | ||
- | 程に式社司の夢に康季かまいるをまたせ給て開かぬ | + | 程に或社司の夢に康季かまいるをまたせ給て開かぬ |
よしをみてけりこれによりて氏人ともをむかへにつかはしたり | よしをみてけりこれによりて氏人ともをむかへにつかはしたり | ||
けれは岸のうへに惘然としてゐたりけるをすくうか | けれは岸のうへに惘然としてゐたりけるをすくうか |
text/chomonju/s_chomonju016.txt · 最終更新: 2020/01/12 23:23 by Satoshi Nakagawa