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text:chomonju:s_chomonju003 [2015/01/11 18:34] – 作成 Satoshi Nakagawatext:chomonju:s_chomonju003 [2020/01/12 23:28] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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-古今著聞集 神祇第一+[[index.html|古今著聞集]] 神祇第一
 ====== 3 延長八年六月廿九日夜貞崇法師勅を承りて・・・ ====== ====== 3 延長八年六月廿九日夜貞崇法師勅を承りて・・・ ======
  
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 延長八年六月廿九日夜、貞崇(ぢやうそう)法師、勅を承りて、清涼殿に候ひて、念仏し侍りけるに、夜、やうやう深(ふ)けて、東の庇に、大なる人の歩む音聞こえけり。貞崇、簾をかき上げて見ければ、歩み帰る音して人見えず。 延長八年六月廿九日夜、貞崇(ぢやうそう)法師、勅を承りて、清涼殿に候ひて、念仏し侍りけるに、夜、やうやう深(ふ)けて、東の庇に、大なる人の歩む音聞こえけり。貞崇、簾をかき上げて見ければ、歩み帰る音して人見えず。
  
-その後、また小人の歩み来る声す。やうやう近くなりて、女声にて、「何によりて候ふぞ」と問ひければ、貞崇、勅を承はりて候ふよしを答ふ。小人の言ひけるは、「先のたび、汝、大般若の御読経つかうまつりしに、験ありき。始め歩み来たりつる物は邪気なり。かの経によりて、足焼損じて調伏せられぬ。後のたびの金剛般若の御読経奉仕の時は、験なかりき。このよしを奏聞して、大般若の御読をつとめよ。我はこれ稲荷神なり」とて、失せ給ひぬ。貞崇、このよしを奏聞し侍りけり。+その後、また小人の歩み来る声す。やうやう近くなりて、女声にて、「何によりて候ふぞ」と問ひければ、貞崇、勅を承はりて候ふよしを答ふ。小人の言ひけるは、「先のたび、汝、大般若((大般若経))の御読経つかうまつりしに、験ありき。始め歩み来たりつる物は邪気なり。かの経によりて、足焼損じて調伏せられぬ。後のたびの金剛般若の御読経奉仕の時は、験なかりき。このよしを奏聞して、大般若の御読をつとめよ。我はこれ稲荷神なり」とて、失せ給ひぬ。貞崇、このよしを奏聞し侍りけり。
  
 ===== 翻刻 ===== ===== 翻刻 =====
行 13: 行 13:
   て清涼殿に候て念仏し侍けるに夜やうやう深て   て清涼殿に候て念仏し侍けるに夜やうやう深て
   東のひさしに大なる人のあゆむ音きこへけり/s10l   東のひさしに大なる人のあゆむ音きこへけり/s10l
 +
 +http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/10
  
   貞崇簾をかきあけてみけれはあゆみ帰音して人みえ   貞崇簾をかきあけてみけれはあゆみ帰音して人みえ
行 24: 行 26:
   して大般若の御読をつとめよ我はこれ稲荷   して大般若の御読をつとめよ我はこれ稲荷
   神なりとてうせ給ぬ貞崇この由を奏聞し侍   神なりとてうせ給ぬ貞崇この由を奏聞し侍
-  けり/s11r三井寺の鎮守新羅明神は沙竭羅竜王の子也+  けり三井寺の鎮守新羅明神は沙竭羅竜王の子也/s11r 
 + 
 +http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/11
  
text/chomonju/s_chomonju003.1420968893.txt.gz · 最終更新: 2015/01/11 18:34 by Satoshi Nakagawa