大和物語
また、男1)、「日ごろ騒がしくてなん、え参らぬ。かく急ぎまかり歩(あり)く、ないないもえ参り来ぬをなん、いかにと、かぎりなく思ひ給ふる」とありければ、女、
騒ぐなるうちにもものを思ふなりわがつれづれを何にたとへん
となんありけり。
又おとこひころさはかしくてなんえ まいらぬかくいそきまかりありくないない もえまいりこぬをなんいかにとかきり なくおもひたまふるとありけれは をんな さはくなるうちにもものをおもふ なりわかつれつれをなににたとえん となんありけり/d23r