大和物語
伊勢の守もろみちのむすめを、正明(ただあきら)の中将1)の君にあはせたりける時に、そこなりけるうなゐをば、右京の大夫(かみ)2)呼び出でて、語らひて、朝(あした)に詠みておこせたりける。
置く露のほどをも待たぬ朝顔は見ずぞなかなかあるべかりける
源正明式部卿與史親王女左近中将天暦元年参議 天徳二年薨 伊勢のかみもろみちのむすめをたた あきらの中将の君にあはせたりける時 にそこなりけるうなひをは右京のかみ よひいててかたらひてあしたによみて をこせたりける/d21r
をくつゆのほとをもまたぬあさか ほはみすそなかなかあるへかりける/d21l