大和物語
桂の皇女(みこ)1)、いとみそかに、逢ふまじき人に逢ひ給ひたりけり。
男のもとに、詠みておこせ給へりける。
それをだに思ふこととてわが宿を見きとな言ひそ人の聞かくに
となんありける。
かつらきの御こいとみそかにあふましき/d16l
ひとにあひたまひたりけりおとこの もとによみてをこせたまえりける それをたにおもふこととて我や とをみきとないひそ人のきかくに となんありける/d17r