大和物語
監の命婦1)、堤(つつみ)にありける家を人に売りて後、粟田といふところに行きけるに、その家の前を渡りければ、詠みたりける。
ふるさとをかはと見つつも渡るかな淵瀬(ふちせ)ありとはむべも言ひけり
監の命婦つつみにありけるいへをひとに うりてのちあはたといふところにいき けるにそのいへのまへをわたりけれは よみたりける/d10r
ふるさとをかはとみつつもわたるかな ふちせありとはむへもいひけり/d10l