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徒然草

第95段 箱のくりかたに緒を付くることいづかたに付け侍るべきぞ・・・

校訂本文

「箱のくりかたに緒を付くること、いづかたに付け侍るべきぞ」と、ある有職(いうそく)の人に尋ね申し侍りしかば、「軸に付け、表紙に付くること、両説なれば、いづれも難なし。文(ふみ)の箱は多くは右に付く。手箱には軸に付くるも常のことなり」と仰せられき。

翻刻

箱のくりかたに緒をつくる事。いづかた
につけ侍るべきぞとある有職の人に尋/w1-71r
申し侍しかば。軸につけ。表紙につくる事。
両説なれば。いづれも難なし。文の箱は
おほくは右につく。手箱には軸につくる
も常の事也。とおほせられき/w1-71l

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0001/he10_00934_0001_p0071.jpg