醒睡笑 巻8 かすり
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正寿庵(しやうじゆあん)といふ坊主のもとへ、「はや斎(とき)出で来て候ふ。とくわたらせ給へ」と、中間(ちうげん)を使(つかひ)につかはす。かの使行きて、門より、「しやうじわん、しやうじわん1)」と呼びければ、坊主、をかしきことに思ひ、「いや、づすづす2)」とぞ答へける。
一 正寿庵といふ坊主のもとへはや斎出来て候 とくわたらせ給へと中間を使につかはす彼 使行て門よりかうやうしわんかうやうしわんとよひけれは/n8-35l
坊主おかしき事におもひいやつすつすとそ こたへける/n8-36r