醒睡笑 巻8 頓作
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西行法師修行の時、津の国1)七瀬の川にて、麦粉(むぎこ)を食ふとて、しきりにむせばれけるを、馬上より侍の見付け、
この河は七瀬の川と聞くものをお僧を見れはむせ2)わたるかな
時に西行の返歌、
この河は七瀬の川と聞くものを召したる馬はやせ3)わたるかな
一 西行法師修行の時津の国七瀬の河にて 麦粉をくふとてしきりにむせはれけるを馬 上より侍の見つけ 此河は七瀬の河と聞物を/n8-25r
お僧を見れはむせわたるかな 時に西行の返哥 此河は七瀬の河と聞物を めしたる馬はやせわたるかな/n8-25l