醒睡笑 巻7 奥書
元和元年のころ、安楽庵咄を所望いたし、承り候へば、別しておもしろく存ずるに付けて、「御書集め候ひて草子にいたし給ふやうに」と申し候ふ処、一両年過ぎ、八冊に調へ給ふ。紛失つかまつるべきかと存じ、奥に書付け置くなり。
寛永五年三月十七日 重宗1)
元和元年之比安楽庵咄を所望 いたし承候へは別而おもしろく存るに 付て御書集候而草子にいたし給やう にと申候処一両年過八冊に調給 紛失可仕かと存奥に書付置也 寛永五年 三月十七日 重宗/n7-60l