醒睡笑 巻6 推はちがうた
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瓦焼く者の近所に、天下一の見目悪(わろ)き娘を持ちたる人あり。かの娘、二十四・五にて死にたり。瓦焼き、かの親のもとに行き大きになく。「何事の愁ひに、さほどまて悲しぶや」と問ふ時、「いな、この後、鬼瓦の手本が無うなりて、力落いた」と。
一 瓦やく者の近所に天下一のみめわろき娘を 持たる人有彼娘廿四五にて死たり瓦焼彼親 のもとに行大になく何事の愁にさほとまてか なしふやととふ時いな此後鬼瓦の手本かなふ/n6-53r
なりてちからおといたと/n6-53l