醒睡笑 巻4 そでない合点
ある僧、若衆(わかしゆ)の方へ、
君をのみ恋ひ暮らしつつ手すさびに前なる山の花をこそ摘め
このみぎり、聯句(れんく)を心得たる出家居合はせ、対(つゐ)のむねにて返歌したりし、
われ虱(しらみ)鯛(たひ)あかしつつ足もんぢやう後ろの薮の竹をこそきれ
一 或僧若衆のかたへ 君をのみ恋くらしつつ手すさひに 前なる山のはなをこそつめ 此砌(みきり)聯句(れんく)を心得たる出家居(ゐ)あはせ対(つい)の むねにて返哥したりし われ虱(しらみ)たいあかしつつ足もんぢやう/n4-50r
後(うしろ)の薮の竹をこそきれ/n4-50l