醒睡笑 巻4 そでない合点
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夜もいまだ明けやらぬに、中間(ちうげん)たる者、戸を開け、「さても、おびたたしく雪の降りたるは」と言ふ声しけり。亭主聞き付け、「いかほど降りたるぞ」と問へば、「されば、深さは五寸ほど積もりて候ふ。幅は知れぬ」と申したり。
一 夜もいまたあけやらぬに中間たる者戸を あけさてもおびたたしく雪のふりたるはと/n4-49l
いふ声しけり亭主聞つけ如何程ふりた るそととへばさればふかさは五寸ほとつもり て候はははしれぬと申たり/n4-50r