醒睡笑 巻4 そでない合点
田舎のかせ侍、長陣(ながぢん)1)の慰みに、「俳諧をして遊ばん」と言ひつつ、
人は乱妨(らんばう)をしてさへ送る世に
とあれば、「さらば付け申さむ」とて、
われらは野兵糧(やひやうらう)だにもなし
また、ある人の句に、
おもきかろきは恋にこそあれ
としければ、
麻殻(あさがら)や堅木(かたぎ)の手棒(てぼう)鷹すゑて
一 田舎のかせ侍長陳(なかちん)の慰(なくさみ)に俳諧(はいかい)をしてあ そはんといひつつ 人はらんばうをしてさへ送る世に とあれはさらはつけ申さむとて われらは野兵糧(やひやうらう)たにもなし 又ある人の句に おもきかろきは恋にこそあれ としければ/n4-49r
あさからやかたきの手棒(てばう)鷹すへて/n4-49l