醒睡笑 巻4 そでない合点
月次(つきなみ)の連歌の会に、
かま鷺(さぎ)は山の途中(とちう)に飛びおりて
といふ句を出だせり。宗匠たる人、「つひに『かま鷺』の言葉を聞かず」とあれば、「本歌ありとも申すまじく候ふや。
移り行く雲に嵐の声すなり散るかまさきの1)葛城(かつらぎ)の山
一 月次の連歌の会に かま鷺は山の途中(なか)に飛おりて といふ句を出せり宗匠(そうせう)たる人つゐにかま 鷺のことはをきかずとあれは本哥あり とも申ましく候や うつり行雲に嵐の声すなり/n4-40r
ちるかまさきのかつらきの山/n4-40l