醒睡笑 巻2 吝太郎(しはたらう)
<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>
われらは雑炊1)嫌ひなり」と常に言ふ者あり。晩がた雑炊の半(なかば)へ来たる。「ちと申さんずれど、お嫌ひなるまま是非なし」とあれば、「なにと、この雑炊に胡椒は入らぬか」。「いや入らぬ」。「それならはちと食べう」と。
一 我らは増水嫌なりとつねにいふ者あり晩かた 増水の半へ来るちと申さんずれとおきらひ なるまま是非なしとあれはなにと此増水 に胡椒はいらぬかいやいらぬそれならはちとた べふと/n2-46l