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醒睡笑 巻1 鈍副子

10 うつけらしき坊主の方へ折節は出入りする農人ありし・・・

校訂本文

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うつけらしき坊主の方へ、折節は出入りする農人(のうにん)ありし。道行きぶりにあひ会ふ。見れば不浄をになへり。件(くだん)の出家、「そちは骨折りや。今より後、かまへて田畠(たはたけ)に糞(こやし)をせんと思ふなの。その代りに、われは仁王経1)を読まうぞよ。

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翻刻

一 うつけらしき坊主のかたへ折ふしは出入す
  る農(のう)人ありし道ゆきふりにあひあふみれは
  不浄(じやう)をになへり件の出家そちはほねをり
  や今より後かまへて田畠(たはたけ)に糞(こやし)をせんとおも
  ふなの其代にわれは仁王経をよまふぞよ/n1-51r
1)
仁王経・担う経・匂う経