醒睡笑 巻1 落書
<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>
「慈眼視衆生(じげんししゆじやう)、福寿海無量(ふくじゆかいむりやう)」をば二句の偈(げ)といふなり。この文を卒都婆に「皆無量」と書きたり。すなはち並べてこの歌を、
観音の福寿の海は皆にする誰も書けかしあらにく1)の偈や
一 慈眼視衆生(しげんししゆしやう)福寿海無量(ふくしゆかいむりやう)をは二句の偈(け)/n1-32l
といふ也此文をそとはに皆無量と書たり すなはちならへて此哥を 観音の福寿の海はみなにする 誰もかけかしあらにくの偈や/n1-33r