醒睡笑 巻1 謂へば謂はるる物の由来
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「朝謡(あさうたひ)はうたはぬこと」とも、また「朝謡は貧乏の相」とも言ひ伝へたり。みな僻事(ひがごと)なり。
本説(ほんぜつ)は、「麻をまく時、謡をうたふな」と戒むる。そのゆゑは、麻は節を嫌ふほどに。
一 あさ謡(うたひ)はうたはぬ事とも又朝うたひはひん ほうの相ともいひ伝へたりみな僻(ひか)事也本(ほん) 説は麻(あさ)をまく時うたひをうたふなといまし むる其故は麻はふしをきらふほとに/n1-13r