無名抄
喜撰が跡
また、御室戸の奥に、二十余丁ばかり山中へ入りて、宇治山の喜撰(きせ)が棲みける跡あり。家は無けれど、堂の礎(いしずゑ)など定かにあり。
これら必ず尋ねてみるべきなり。
喜撰カ跡 又みむろとのおくに廿よ丁はかり山中へ入て うち山のきせかすみけるあとありいへはなけれと たうの石すゑなとさたかにありこれらかならす たつねてみるへきなり/e33r