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蒙求和歌

第14第47話(247) 何曾食万

校訂本文

何曾食万

晋の何曾は字(あざな)穎考といふ。日ごとの食物いること、万銭に及ぶに、なほ箸をいたすところなかりけり。「餅は千字にさかれは食はず1)」と言へり。

  ひとたびによろづの数の積りける宿の情けに煙(けぶり)立つなり

翻刻

何曾食万  晋ノ何曾ハ字穎(エイ)考トイフ日コトノ食/物イルコト万銭ニヲヨフニナヲハシヲイタ
ストコロナカリケリ餅ハ千字ニサカレハクハストイヘリ
      ヒトタヒニヨロツノカスノツモリケルヤトノナサケニケフリタツナリ/d2-54l
1)
文意不明。『晋書』巻三十三には「蒸餅上不坼作十字不食」とある。「十字に裂かざれば食はず」か。