蒙求和歌
黄覇政殊1) 覇
黄覇、穎川の太守になりて、仁風をほどこし、徳政を行なひて、天下おほきに治まり、人民、しきりに楽しび、国に嘉禾生ひ、堺に鳳凰集まる。
宣帝、よみして、金三十斤を給ふなり。
山深み名をのみよそに聞く鳥も人の心をめでて来にけり
黄覇政殊 覇 黄覇穎川ノ大守ニナリテ仁風ヲホトコシ徳政ヲヲコナヒ テ天下ヲホキニヲサマリ人民シキリニタノシヒ国ニ嘉禾 生堺鳳凰アツマル宣帝ヨミシテ金三十斤ヲ給ナリ やまふかみなをのみよそにきくとりも 人のこころをめててきにけり/d1-49r