今昔物語集
底本、標題のみで本文を欠く。底本付録「本文補遺」の鈴鹿本により補う。
今昔、元興寺の中門に二天在ます。其の使者として夜叉有り。其の夜叉、霊験を施す事限無し。然れば、其の寺の僧より始て、里の男女、此の夜叉の許に詣でて、或は法施を奉り、或は供具を備て、心に願ふ事を祈り請ふに、一として叶はずと云ふ事無し。
此に□□人皆(下文欠)