伊勢物語
<<PREV 『伊勢物語』TOP NEXT>>
昔、男、後凉殿(こうらうでん)のはさまを渡りければ、あるやむごとなき人の御局より、忘れ草を、「忍ぶ草とやいふ」とて出ださせ給へりければ、賜はりて、
忘れ草生ふる野べとは見るらめどこはしのぶなり後も頼まん
昔おとこ後凉殿のはさまをわたりけれは あるやむことなきひとの御つほねよりわ すれくさをしのふ草とやいふとていた させ給へりけれはたまはりて わすれ草おふる野へとは見るらめと こはしのふなり後もたのまん/s111r
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200024817/111?ln=ja