平中物語
また、この同じ男、女どもありけり。それ来にけり。夜更くるまで物語などして、帰りて言ひたる。
小夜更けて歎き来にしをいつの間に夢に見えつつ恋しかるらむ
返し。
歎くてふことぞことわり思ひせば夜半に来て寝ず帰らましやは
いひける又このおなしをとこ女ともありけり それきにけりよふくるまてものかたりなとし てかへりていひたる さ夜ふけてなけききにしをいつのま にゆめに見えつつこひしかるらん かへし なけくてふことそことはりおもひせは よはにきてねすかへらましやは/18オ