古今著聞集 草木第二十九
五月のころ、円位上人1)、熊野へ参りけり。道の宿に菖蒲(あやめ)をば葺(ふ)かで、勝見(かつみ)2)を葺きたりけるを見て、詠み侍りける、
かつみ葺く熊野詣の宿りをばこもくろめとぞいふべかりける
聖代にこの事ありいかなる瑞にか侍らん五月の比円 位上人熊野へまいりけりみちのやとにあやめをは/s521l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/521
ふかてかつみをふきたりけるをみてよみ侍ける かつみふく熊野まうてのやとりをはこもくろめとそいふへかりける/s522r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/522