古今著聞集 飲食第二十八
仲胤僧都、法勝寺御八講に遅く参りたりければ、追ひ出だされて、院1)の御気色悪しくて、こもりゐたりけるに、次の年の春、人のもとより辛夷(こぶし)の花を送りたりけるを見て詠める、
くび突かれ頭かかへて出でしかどこぶしの花のなほ痛きかな
仲胤僧都法勝寺御八講にをそくまいりたりけれは 追出されて院の御気色あしくてこもりゐたりける に次年の春人のもとよりこふしの花をおくりたり けるを見てよめる くひつかれ頭かかへていてしかとこふしの花のなをいたきかな/s493r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/493