古今著聞集 闘諍第二十四
保延六年夏のころ、滝口源備(そなふ)・宮道惟則、いさかひをして、備殺されにけり。帯刀先生源義賢、惟則をからめてけり。
後に義賢、犯人(ぼんにん)と心を合はせたるよし、沙汰いできて1)、義賢、帯刀の長を取られにけり。また犯人に問はれけれども、承伏せざりけるは、いかなりけることにか。
別功にもよくよくはからふべきことなり。
保延六年夏の比瀧口源備宮道惟則いさかひをして 備ころされにけり帯刀先生源義賢惟則をから めてけり後に義賢犯人と心をあはせたるよし沙汰 てきかし義賢帯刀の長をとられにけり又犯人にと はれけれとも承伏せさりけるはいかなりける事にか 別功にもよくよくはからふへき事也/s402l