古今著聞集 哀傷第二十一
高倉院1)の女房2)、世をいとひて、さまかへたる人侍りけり。
いくほどなくて、院かくれさせ給ひにしかば、大納言実国卿3)、かの女房のもとへ申しつかはしける。
月影を見捨てて入りしことわりは雲隠れぬる今こそは知れ
高倉院の女房世をいとひてさまかへたる人侍けりいく程 なくて院かくれさせ給にしかは大納言実国卿彼女房 のもとへ申つかはしける 月影をみすてて入しことはりは雲かくれぬるいまこそはしれ/s363r
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