古今著聞集 哀傷第二十一
二条右衛門佐重隆1)、没後に冥官(みやうくわん)になりにけり。
白河院2)、善と御罪と等しくおはします間、御生所さだまらせ給はぬよし、かの冥官申すと、ある人の夢に見たりけり。重隆、旧臣のよしみにてかく申しけるにこそ。あはれなることなり。
鳥羽院3)、このことを聞こし召して、さまざまの御ことどもありて、とぶらひ参らせられけり。
二条右衛門佐重隆没後に冥官になりにけり白川 院善と御罪とひとしくをはしますあいた御生所さた まらせ給はぬよし彼冥官申とある人の夢にみたりけり 重隆旧臣のよしみにてかく申けるにこそあはれなる 事也鳥羽院此事をきこしめして様々の御/s361l
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事ともありてとふらひまいらせられけり/s362r