古今著聞集 馬芸第十四
いづれの摂籙1)の御時にか、東三条にて雲分(くもわけ)といふあがり馬を乗られけるに、中門の廊の中に爪形(つまかた)を付けて、車寄(くるまよせ)の戸の外へ飛び出でたりけり。
「その足の跡、のごひな失ひそ」と仰せられて、近くまて侍りけるとかや。
いつれの摂禄の御時にか東三条にて雲分といふあか/s260r
り馬をのられけるに中門の廊の中につまかたを付て 車寄の戸の外へ飛出たりけり其足のあとのこひ なうしなひそと仰られてちかくまて侍けるとかや/s260l
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