古今著聞集 孝行恩愛第十
軼人監物頼能1)重病を受けたりける時、大納言重通卿2)、みづから行き向ひてとぶらはれけり。おほかた精進せられざりける人の、頼能早世の後は、その忌日ごとに魚肉を食せられざりけり。夢中に頼能清談すること、その数を知らず多かりけり。
そをはしける軼人監物頼能重病をうけたりける時 大納言重通卿みつから行向て訪はれけり大方精進 せられさりける人の頼能早世の後は其忌日毎に魚肉を 食せられさりけり夢中に頼能清談する事其数を知す多かりけり/s212r
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