古今著聞集 和歌第六
法深房1)、そのかみ父朝臣2)と不快のころ、譲り得たりける笛(大穴)を取り返されける時、憂へ3)歎きて詠み侍りける。
思ひ出のふしもなぎさにより竹のうきね絶えせぬ世をいとふかな
やがて、そのころ出家を遂げてけり。憂きは嬉しき善知識となりにけり。
法深房そのかみ父朝臣と不快の比譲得たりける笛(大/穴)を取 返されける時これへなけきてよみ侍ける/s155l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/155
思出のふしもなきさにより竹のうきねたえせぬ世をいとふ哉 やかて其比出家をとけてけりうきはうれしき善知識と成にけり/s156r