古今著聞集 文学第五
都良香、竹生島に参りて、
三千世界眼前尽 三千世界眼前に尽き
と案じ侍りて、下の句を思ひわづらひ侍りけるに、その夜の夢に、弁財天、
十二因縁心中1)空 十二因縁心中空(むな)し
と付けさせ給ひける、やむごとなきことなり。
めける都良香竹生島にまいりて三千世界眼前尽と案 し侍て下句を思わつらひ侍けるにその夜の夢に弁財天 十二因縁心中(裏歟)空とつけさせ給けるやむことなき事也/s90l
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