古今著聞集 文学第五
「安楽寺作文序」を相規1)が書きけるに、
王子晋之昇仙、後人立祠於緱嶺之月 (王子晋の昇仙、後人緱嶺の月に祠を立つ)
羊大傅之早世、行客墜涙於峴山之雲 (羊大傅の早世、行客峴山の雲に涙を墜す)
この句、ことにすぐれたりけるを、後に月の明かかりけるに、安楽寺にて、直衣(なほし)の人詠じたるは、天神2)御感のあまりに現はれ給ひけるにや。
安楽寺作文序を相規か書けるに王子晋之昇仙後/s89l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/89
人立詞於緱嶺之月羊大傅之早世行客墜涙於峴 山之雲 この句ことにすくれたりけるを後に月のあかかりけるに 安楽寺にて直衣の人詠したるは天神御感のあまりに あらはれ給けるにや/s90r