絵巻物ともいう。一般に絵と詞書からなるが、鳥獣人物戯画のように詞書が存在しないものもある。
絵巻に類するものは中国にも存在するが、中国の絵巻があくまで広げてパノラマとして見ることを前提に作られているのに対し、日本では巻子本という形式を最大限に利用し、巻き取っていくことによって物語の進行を表現するという独自の進化をとげた。
その独特の表現方法には、同じ人物が何度も同じ画面に登場するとことにより時間の流れを表現する「異時同図法」や、家屋の屋根を透過して中を見せる「吹き抜け屋台」、西欧絵画とは違う空間表現の「逆遠近法」などが挙げられる。