とはずがたり ====== 巻4 21 中宮寺といふ寺は聖徳太子の御旧跡その妃の御願など聞くもゆかしくて・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[towazu4-20|<>]] 中宮寺といふ寺は聖徳太子の御旧跡、その妃(きさき)((橘大郎女))の御願など聞くもゆかしくて、参りぬ。長老は信如房((僧璋円女。「信如房」は底本「しん女房」。))とて、昔((「昔」は底本「むむかし」。))御所ざまにては見し人なれども、年の積もるにや、いたく見知りたるともなければ、名乗るにも及ばで、ただかりそめなるやうにて申ししかども((「申ししかども」は底本「よしかとも」。「よりしかども」の誤写とする説もある。))、いかに思ひてやらん、いとほしく当たられしかば、またしばしこもりぬ。 [[towazu4-20|<>]] ===== 翻刻 ===== してしはしやすみてこそなといへはれいのこれにも又ととまりぬ中 宮寺といふ寺はしやうとく大子の御きうせきそのきさきの御くはん なときくもゆかしくてまいりぬちやうらうはしん女房とてむ むかし御所さまにてはみし人なれともとしのつもるにやいたく見 しりたるともなけれはなのるにもをよはてたたかりそめなるやう/s186l k4-41 http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100218515/viewer/186 にてよしかともいかに思てやらんいとをしくあたられしかはまたし はしこもりぬほうりうしよりたへまへまいりたれはよこはきの/s187r k4-42 http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100218515/viewer/187 [[towazu4-20|<>]]