[[index.html|醒睡笑]] 巻8 祝ひすました ====== 16 江州堅田といふ所の地頭へ毎年大晦日に浦の百姓・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== [[n_sesuisho8-168|<>]] 江州堅田(かただ)といふ所の地頭へ、毎年大晦日に、浦の百姓、必ず鮒を二つづつあぐる例あり。 ある時、一つあぐる。主人、気色変はり腹立(ふくりう)するに、元日、膳を出す折、女房したためて持ち出で、「今年はなほもふなをり((鮒折り・符直り。符は運の意。))せん」と言ふまま、彼鮒の胴骨を二つに折りて参らせけり。 [[n_sesuisho8-168|<>]] ===== 翻刻 ===== 一 江州かたたといふ処の地頭へ毎年大晦日   に浦の百姓かならすふなを二つつつあくる   例あり或時一つあくる主人気色かはり   腹立するに元日膳を出す折女房したため   て持出今年は猶もふなをりせんと云まま   彼鮒のとうほねを二つに折て参らせけり/n8-67l