[[index.html|醒睡笑]] 巻8 祝ひすました
====== 11 桶結のありしが元日の朝ふと起き起き女房の言ひけるやうは・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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桶結(をけゆひ)のありしが、元日の朝ふと起き起き、女房の言ひけるやうは、「元三(ぐわんざん)から大晦日まで、ようゆひごと((結ひ事・言ひ事。「言ひ事」は文句を言うの意。))をする人には、お身よりほか、また二人ともあるまいぞ」。やがて男、「そのゆひごとは、千あらうと万あらうと、みなわが((輪が・我が))悪いからよ」と祝うたれば、その年、そこそこの仕合(しあは)せ、くれぐれよかりき。
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===== 翻刻 =====
一 桶結のありしが元日の朝ふとおきおきねう
はうのいひけるやうは元三から大晦日まてよう
ゆひ事をする人にはお身より外又ふたり
ともあるまいぞやかて男そのゆひ事は
千あらふと万あらふとみなわかわるいからよと
いはふたれは其年そこそこの仕合くれくれよかりき/n8-66r