[[index.html|醒睡笑]] 巻8 茶の湯
====== 14 歴々の衆三人ともなひ朝会に行く・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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歴々の衆三人ともなひ、朝会(あさくわい)に行く。昨夜鶏鳴(けいめい)まで酒にふけり、いまだ人心地もなかりし。
会やうやく過ぎ、亭主、茶をたつる時、見れば三人ながら眠り入りたり。されども上座の人、目を開(あ)き、次の膝をつめられ、これも目を覚まし、また下座の膝をつくに、かの心には茶の礼と思ひ、「まづおみしやれ」とそこつに言うて、よくよく見れば、亭主いまだ茶をたてゐけり。面目なさ((「なさ」は底本「なき」。諸本により訂正。))御推量あれ((「あれ」は底本「なれ」。諸本により訂正。))。
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===== 翻刻 =====
一 歴々の衆三人ともなひ朝会に行昨夜雞
鳴まて酒にふけりいまだ人ここちもなかりし/n8-57r
会漸過亭主茶をたつる時見れは三人な
から眠入たりされとも上座の人目をあき次
の膝をつめられこれも目をさまし又下座の
膝をつくに彼心には茶の礼とおもひまつおみ
しやれとそこつにいふてよくよく見れは亭主
いまた茶をたてゐけり面目なき御推量なれ/n8-57l