[[index.html|醒睡笑]] 巻8 秀句
====== 11 京にてさかしき座頭月忌の座敷へ遅く来たり・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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京にて、さかしき座頭、月忌(ぐわつき)の座敷へ遅く来たり。「内をはとく出でて候ふが、路にて鐘の音つかまつり候ふまま、立ち寄りて候へば、酒盛り談義にあうて、さてぞ遅参いたし候ふ」と言へり。「酒盛り談義とは何事ぞや」。「されば、もはや立たんと羽づくろひせしに、『ここをば法然の酌((底本表記「尺」。以下同じ。))にて一つ申さん』とあり。また立たんとすれば、『善導の酌にてま一つ申さん』と」。
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===== 翻刻 =====
一 京にてさかしき座頭月忌の座敷へ遅く/n8-47l
来り内をはとく出て候が路にて鐘のをと仕候儘
立よりて候へは酒もり談義にあふてさてそち
参いたし候といへり酒もり談義とは何事そや
されはもはやたたんとはねつくろひせしに
爰をは法然の尺にて一つ申さんとあり又た
たんとすれは善導の尺にてま一つ申さんと/n8-48r