[[index.html|醒睡笑]] 巻8 かすり
====== 8 京に積善院といふありまた建仁寺に両足院といふあり・・・ ======
===== 校訂本文 =====
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京に積善院(しやくぜんゐん)といふあり。また建仁寺に両足院(りやうそくゐん)といふあり。
ある時、積善院、両足院へ入来(じゆらい)のことあり。真俗の物語、時過ぎて後、「人の果報無果報はせんかたなし。かりそめの寺の名さへ、わがすむ方をば、口すさびにも『しやくせんゐん((借銭院))』とこそ呼べ((「呼べ」は底本「まへ」。諸本により訂正。))。またそなたをば、とりはづかしても、『りやうそくゐん((料足院。底本「れりそくゐん」。諸本により訂正。))』と呼ぶ。けなりや」。
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===== 翻刻 =====
一 京に積善院といふあり又建仁寺に両足院
といふあり或時積善院両足院へ入来の事
有真俗の物かたり時過て後人の果報無果
報はせんかたなしかりそめの寺の名さへ我か
すむかたをはくちすさひにもしやくせんゐんと/n8-37l
こそまへ又そなたをはとりはつかしてもれり
そくゐんとよぶけなりや/n8-38r